ファンダメンタルから見た円の背景や特徴を学びましょう。
円(JPY)の特徴
JPYは、USD(米ドル)やEUR(ユーロ)、GBP(英ポンド)、CHF(スイスフラン)と並ぶ、世界の市場で流動性が高いメジャー通貨です。
ただし、USDやEURと違い、基軸通貨ではないため、世界の貿易決済や外貨準備などで利用されることはほとんどありません。
リスク回避通貨
地政学リスクの回避から有事の際は買われやすいという特徴があります。
具体的な例としては、中東で戦争などがある場合、地理的に影響が少ない、円にお金が逃げるという動きです。
日本政府の思惑
昔から日本政府としては、円安に誘導したい、極端な円高は避けたいという思惑があります。
必ずしも成功するとは限りませんが、100円を大きく割ってくるような極端な円高時には日銀が介入をしかけてきます。
アベノミクス政策による大胆な金融政策がおこなわれ大きく円安に動きました。
このアベノミクス相場では、黒田バズーカと呼ばれる日銀による量的緩和も大きな話題となりました。
これまでの日銀の介入は、テクニカル的に意味のないところで入っていて結局潰されるという事が多かったのですが、この2回の介入はテクニカル的に非常にタイミングが良かったのも特徴です。
黒田バズーカとは?
円キャリー・トレードとは?
日本円のといえば、超低金利というイメージがあると思います。
「円キャリートレード」と呼ばれる金融取引が話題にのぼり聞いたこともあるかた多いかもしれません。
この「円キャリートレード」というのは、海外の投機筋や投資家が市場から調達した巨額の円資金をドル資金に転換し、世界の金融市場で投資するもの。円金利の世界的な低さに着目した動きなのです。
▼ドル円チャート・1990年~推移
通貨相場を動かす、ミセス・ワタナベとは?
ミセス・ワタナベ(Mrs.Watanabe)、キモノ・トレーダー(Kimono Trader)は、外国為替市場で主に使われる用語で、日本の個人投資家(特に主婦の投資家など)のことをいいます。この呼び名は、日本の個人投資家の中で、資産運用に対する専門知識やノウハウなどを特に持たない主婦層に代表される「素人投資家」のことを指した呼び名として海外のメディアが使ったことから広まったようです。
2000年代半ばの外国為替証拠金取引(FX)が円安でブームだった頃に、家庭の主婦までもが、為替取引をしていたことに驚いた海外メディアが使用したのだそうです。
2005年から2007年夏頃までの円安局面で、外貨買い・円売りの取引(円キャリー取引)を行い、マーケットに大きな影響力を及ぼしたことから世界的に知られるようになりました。金利差を狙った外貨の買い(ロング)が中心だったので、円安局面では収益をあげたが、その後の円高局面で大きな損失をだしたと言われています。
投機筋がミセス・ワタナベとは逆の売買をすることを「ミセス・ワタナベ狩り」と言い、これまで円高局面で度々狙われ、多くの個人投資家が損を被りました。
主な外国為替取引の通貨ペア
・米ドル/円(USD/JPY)
・ユーロ/円(EUR/JPY)
・ポンド円/円(GBP/JPY)
・豪ドル/円(AUD/JPY)
・NZドル/円(NZD/JPY)