移動平均線(Moving Average)の見方・使い方

「移動平均線」の見方や使い方を、株初心者にもわかりやすく解説していきます。

移動平均線は、テクニカル分析の指標の中では、まず最初に知っておくべきものです。なぜなら、全てのトレーダーがこれを利用しており、チャートの重要な場面で非常に機能するからです。

移動平均線とは?

移動平均線とは、一定期間の価格の平均値をつなぎあわせて表示したもので、ローソク足と一緒に表示されるのが普通です。

一般的にローソク足の終値を使って計算します。
1本移動平均線を加えるだけで、相場の流れがわかりやすくなります。

このチャートのローソク足は、白のローソク足が陽線、グレーのローソク足が陰線です。
ローソク足の陽線・陰線がわからない場合は、以下のページでローソク足の見方を確認してください。
ローソク足の見方

ローソク足は、現在の価格を表して、移動平均線は相場の平均値の推移を見ているということを理解してください。

移動平均線の作られ方

移動平均線を正しく理解するために、移動平均線がどのように作られるかを説明します。

ここでは、日足の5日間の移動平均線で説明します。

5日移動平均線は、直近の五日間の終値の平均値を計算し、繋げた線のことです。

例えば、ある通貨ペアの七営業日分の終値が以下の通りだったとします。

一日目:終値100円
二日目:終値110円
三日目:終値115円
四日目:終値120円
五日目:終値115円(過去5日間の移動平均112円)
六日目:終値120円(過去5日間の移動平均116円)
七日目:終値130円(過去5日間の移動平均120円)

まず、一日目から五日目までの価格の平均が112円を5日目に配置して、移動平均線の起点とします。次に、二日目から六日目までの平均値は116円を6日目に配置、三日目から七日目までの平均値を7日目に配置。この点つなげると線になります。

以上のような計算を繰り返して、移動平均線が作成されます。

移動平均線の期間

移動平均線の計算期間は5日でも100日でも自由に設定することができます。
短期・中期・長期の3本の移動平均線を使う場合も多いです。

多くのトレーダーが使っていると言われる期間は、
短期:5、6、10
中期:20、21、25
長期:75、200など

どの設定がいいの?という話が良く出てきますが、勝っているトレーダーがみんな同じ設定を使っている訳ではなく、各自がそれぞれが自分のこだわりを持っている部分です。それぞれまったく別のパラメーターを使っていてもそれぞれ勝っているのです。

それぞれみんな自分の使っているパラメータ設定には大変な自信をもっています。逆に言えば、どんなパラメーターでもよく自分がそれを一番だ!と決めて使い込むことが大切なんです。一番いけないのは、あれがいいこれがいいとフラフラと設定を変えることです。

移動平均線の種類

移動平均線には、いろいろな種類があるが、代表的なのは単純移動平均線(Simple Moving Average)、指数平滑移動平均線(Exponential Moving Average)なので、とりあえずこのふたつくらいを知っておけばよいと思います。単純移動平均線はSMA、または MA 、指数平滑移動平均線はEMAと略すのでこれは覚えておいて下さい。

また、移動平均線の期間を前につけて20期間の移動平均線を 20MA と読んだりもします。

この移動平均線の種類についても、どれが一番いい?という議論がされる部分ですが、フラフラと変えずに決めて使い込んでいきましょう。

移動平均線の見方【基本編】

移動平均線の角度やローソク足との位置関係で相場の勢いなどを判斷するのに使うインジケーター(指標)です。

見るポイントの基本は、以下の2つです。

  • ローソク足と移動平均線の位置関係
  • 移動平均線の傾き

移動平均線が右肩上がりなら上昇トレンド、右肩下がりなら下落トレンドと判断できる。さらに、ローソク足と移動平均線の位置関係も重要です。

また、複数の移動平均線を使うことで、さらに精度を上げた見方もできます。

ローソク足と移動平均線の位置関係

基本的な、位置関係の見方は以下です。

  • ローソク足が移動平均線より “上” にあるときは “強気(=上昇)優勢”
  • ローソク足が移動平均線より “下” にあるときは “弱気(=下降)優勢”
  • ローソク足と移動平均線が重なっているときは “横ばい相場”

移動平均線の傾き

移動平均線とローソク足との位置関係を確認したら、次に移動平均線の傾きにも注目しましょう。単純に以下のように覚えておいてください。

  • 移動平均線が、右肩上がりで角度が急であるほど上昇トレンドの力が強い
  • 移動平均線が、右肩下がりで角度が急であるほど下降トレンドの力が強い
  • 移動平均線が、水平であるなら横ばい

移動平均線を使ったトレードルール

移動平均線を使ったチャートの有名な見方を紹介します。

グランビルの法則

移動平均線を使ったトレードのやり方として有名なのがグランビルの法則です。買いの4パターンと売りの4パターンがあります。

パーフェクトオーダー

パーフェクトオーダーとは、短期・中期・長期の3本の移動平均線の全ての傾きが同じ方向に一致した状態のことです。

まとめ

移動平均線は、シンプルながら奥が深いインジケーターの王道です。移動平均線を使いこなすことでFXは十分勝つことができるといって良いほどにすぐれたものですので、ぜひ、研究し使いこなしてください。