青木:始める前ですか?普通のサラリーマンですよ。
鹿内:どういう形のサラリーマンをされていたんですか?
青木:何をやってたか?業種?流通業です。
鹿内:それはもうホントに関西の、こちらの・・。
青木:はいそうです。
鹿内:学校出てからずっとこちらで働いてて。
変な聞き方しますと、普通のサラリーマンだったんですか?
青木:まったくの、普通のサラリーマンです。
鹿内:サラリーマンの時って投資にはどういうイメージ持たれてました?
青木:その時の投資のイメージはお金持ちがやるものだろうなっていうのと、
まあ・・お金作ったらやりたいなっていうようには思ってました。
鹿内:では極端に投資は危ないとか怖いみたいなアレルギーはなかったですか?
青木:なかったです。小さい時からお金持ちになりたいという風に思ってたんで。
流通の会社に入ったのもう何で独立するのか決まってないけどもう、ま、
流通学んでいれば役に立つかなと思って入っていただけなんですよね
鹿内:では若い時から金持ちなりたいし、独立というのは自分で会社を起業する!
みたいなイメージだったんですか?
青木:そうです。投資を始めたきっかけ、っていうのが起業しようとしてたんですよ。
その時に一緒にやることになっていた友達が借金を抱えていて。
鹿内:ほー、はじめっからストーリーが。
青木:でー、会社も辞めてたんですけどね僕の方は。
起業する寸前でそれが分かって。人間が変わってたんですよ。
鹿内:それはその・・。友達が。昔と比べて別の人になってたってことですか?
青木:そう。何で借金を抱えたんだろう?っていうところとか
お金ってなんなんだろう?
というようなところからお金について色々と調べて、
カード破産とかっていうものとか調べたりとか
人間心理とかゲーム理論とかっていうところから結局投資になって。それで、
あ!投資しよう!っていう。
そこから投資が始まりました。
鹿内:よくあると思っている、例えば株を始めようとかいう形で、
なんかの金融商品を始めたことをきっかけにというパタンではない・・
青木:ではないですね。お金の事を調べて知っていくうちに、
いろんな角度から借金っていうのは誰もが普通にしちゃうものなんだな、
で、自己破産というのは誰もが普通の生活をしていて、
ちょっとしたつまずきでしちゃうものなんだなー、ていうようなところと
お金っていうものと人間がこう絡むんだなと。
で、お金持って一体何なんだろうっていうようなところから。
お金持って、投資やってるよなーって言う、で
投資っていうものがお金持ちになる一つの手段だなっていうところから
投資始めたんですよね。
鹿内:そのお金の勉強ってどういう形で勉強したんですか?本読んだりとか?
青木:えっとね、考えることの方が多かったですね。
イメージして行く。
今のようにネットなかったですし。
本屋にもその手の本って全くなかったですよ。
鹿内:今のほうが全然本も多いですよね。
青木:株をしようと思って本屋行ったら本2冊しかなかったですよ。
鹿内:買ってもしょうがないですね。
青木:それも初心者本、ローソク足がどうのっていう程度の本が2冊あるだけで。
鹿内:基礎の基礎だったんですね。
青木:それ以上全くないんですよ。全くないからもう全てが想像なんですよ。
チャート全部毎日のように手書きで。あとは電話注文でしたしね。
まぁ、そんな感じで何で動くのかな?とか
どういうタイミングでこれは下がったり上がったりするんだろう?
っていうのをずっと新聞読みながら一日一本だけローソク足書いてくんですよ。
鹿内:まあ日足は1本ですもんね。
青木:それを何年間も続けるような感じですよね。
だから考える時間はいっぱいあって、
それをず~~っと3銘柄ぐらいを書き続けていたっていう。
鹿内:ちなみにその銘柄っていうのはどんな銘柄だったんですか?
青木:あれ何だったんだろう?よく覚えているのはヤオハン株です。
紙くずになったんですよ。
鹿内:株で・・あるやつですね。よく。
青木:安くなってるからいいやと思ってヤオハン株買ったけど倒産したんですよね。
それは失敗ですよね。
鹿内:今のその、チャートを書いていた時代というのはその...
お金はそこまではたくさん入れてなかったんですか?
青木:500万ぐらいですかね。
鹿内:まあまあ投資をしていた訳ですね。それなりのボリュームで。
青木:ですかね。
鹿内:しながらも情報もなかったので様々な・・
青木:色々とね、いろんな銘柄買ってましたよ。で
実際にこの証券をわざわざ取り寄せて、
手元に置きたいんでって言って。
鹿内:今はもうないやつですね。
青木:そうです。
鹿内:電子化される前のやつ。
青木:「いるんですかっ?」って言われて。
「1回手元に置きたいんです!」って言って。
鹿内:あれってどういう風な・・。
青木:ただの紙です。
鹿内:なんとかの銘柄名と何株って書いてあるだけなんですか?
青木:うん。で、ハンコがいっぱい押してあるんです。
鹿内:ということは、はじめは株式をどんどんやられてたんですか?
青木:はい。
鹿内:その時期というのは初期の時期っていうのは、個別株以外では別の投資はされたりとかは?
青木:先物とかもやりましたよ。
鹿内:あっ先物もやってましたか。
青木:よく分からずね。毎日、数時間おきに電話かかって来るんですよ
「買いましょう!買いましょう!
「売りましょう!売りましょう!」って言って。
鹿内:あの時代・・。聞いた話ですけど営業が強引なんことをしてくる時代ですか?
青木:うぅ、そうそうですね。先物の方が利回りがいいとかね。
まぁ稼げるときは稼げる。なくなる時は一瞬にしなくなる。
鹿内:それは本当のことですね。確かにそれは。
青木:で追証がかかるみたいなね。
鹿内:アラートが鳴るわけですね。
青木:いや、だからそういうんじゃないですよ。
アラートなんかないですから。電話が掛かってくるんですよ。
鹿内:あっそっか。
青木:今は画面に出ますけど、電話が鳴って。
鹿内:もうやばいですよね。
青木:「どうしましょう!」どうしょうもないですね。
「あの追加で資金入れといてもらえればもうそろそろ上がると思うんですよ」みたいな。
鹿内:悪い時代ですね。それはある意味。
青木:で、そういうのからまあ色々と学んでいくって感じですよね。
鹿内:投資を始めた時代において特に覚えている失敗談みたいなのはもしあれば。
青木:失敗談はまずそのヤオハン株ですよね。ていうのと
あとは逆指値注文。
鹿内:いわゆる損切ですかね。
青木:はい。証券会社に行って「あの、値段が下がってきたら売りたいんです」と
もしくは「上がってきたら買いたいんですよね」って言ったら、
鹿内:新規の逆指値ですね。
青木:はい。っていうのと
「ポジションを持ってる時に外したいんです」ていう話をしたら証券会社の人が、
「えっ!持っているやつが下がってきて売りたいんですか?」と。
鹿内:いわゆる損切ということですね。今いうところの。
青木:それが通じないんですよ。
鹿内:あ。なるほど。
青木:はい。逆差しっていうものが何なんですか?って言われて。
逆挿しっていう言葉は知らないんで。僕自身も。
「今持っているポジションが利益あるんですけどもここまで下がってきたならば利益確定したいんですよね」
っていう話をしたら
「下がるって思ってるなら今高いうちに売っちゃったらいいじゃないですか」
っていう返事なんですよ。で逆に
「ここまで上がってきたら買いたいんですけど、その場合の注文の仕方ってないんですか?」と言ったら、
「えっ!上がるんだったら今安いうちに買っといたらいいんじゃないですかっ!」ていう返事。
で、それ出来ません?って言ったら
「いや、できるんじゃないですかねって」言って注文入れたら即利確になったり。
鹿内:できてないわけですね。
青木:そう。通じないじゃんかよ!という失敗。
鹿内:それって言うのは当時取引されていた会社にそういう仕組みという考え方がなかった?
青木:日本になかった。
鹿内:なかったんですか!
青木:逆指値注文っていうのがないんですよ
鹿内:例えば新規だったら、年初来の高値を超えたら入る、あれがなかったんですね。概念自体が。
今では当たり前のように誰でも使ってると思うんですけど。どんな商品でも。
青木:自分がイメージするような注文の仕方が出来なかった。
鹿内:指値はできたんですか?
青木:指値はできた。
鹿内:安くなったらここまで来たら・・。指値ありの逆指値はない。
青木:逆指値の損切りできない、っていうね。
鹿内:じゃあもうリアルタイムでしか出来ないわけですね。
青木:それは今だったら簡単にできるじゃないですか。
鹿内:むしろないと厳しい。
青木:リアルチャートが見れる状態で注文が、色々な注文ができる。
でインジケーターなんていうものが好きなようにカスタマイズできるって言う時点で
「すげー!」って言う。
鹿内:劇的な進歩ですよね。本来もっと後でお聞きすることだったんですけど
今伺ってて、圧倒的に環境って進歩してるじゃないですか。
ただ、勝ってる人が増えているかって言うとそうでもないと僕は思っていて。
これはどの辺に要因があるのかって、いきなりワープして質問しちゃいますけど。。
これだけめちゃくちゃ劇的に環境が変わってんのに、
やっぱり勝てない人は勝てないじゃないですか