こんにちは。FX学校の青木です。
今回は、FX初心者向けに、FXで重要なことについてお話しします。
それは資金管理をするために必要な知識「ロット」についてです。
「ロットってなに？」「１ロットはいくら？」「みんな何ロットて取引してる？」という疑問がある方は、ロットの意味や仕組みを知って、自分の口座資金に対して適切なロット数でトレードをするように心がけましょう。
ロットとは
ロットとは、ある一定の数量を表す言葉で「単位・まとまり」のことです。
FXではトレードするときの1回の裁定取引数量（取引単位）をロットと言います。
通常、国内のFX会社の口座でトレードする場合、「1ロットは1万通貨」の売買なので、米ドル／円の場合は1万ドルが最低取引量です。
（※FX会社によって「1ロット＝10万通貨」「1ロット＝1通貨」などの場合もあり、業者によって規定が違いますので、必ず確認してください）
例えば、GMOクリック証券の場合の場合は、以下のような金額になります。
- 0.1ロット＝1,000通貨
- 1ロット＝10,000通貨（1万）
- 10ロット＝100,000通貨（10万）
- 100ロット＝1,000,000通貨（100万）
1ロット＝最低取引単位（通常1万通貨）と覚えてください。
なお、1ロットに対する取引通貨数（最低取引量）は、通貨ペアによっても違います。
例えば、メキシコペソ（MXN）や南アフリカランド（ZAR）は通貨の価格が安いので通常の10倍の10万通貨が1ロットです。
10万通貨の取引は1万通貨の10倍の為替変動の影響を受けますので、このような国の通貨ペアの取引はFX初心者には危険です。
取引をする際は、最低取引単位にも注意しましょう。
1ロットはいくら？
1ロット（1Lots）は、1枚、1ショットとも言います。
また、1万通貨や10万通貨など、取引単位をそのまま言うトレーダーも多いです。
先ほど説明した通り、1ロットは1万通貨です。
「1ロット＝通貨のレート（価格）×10,000通貨」で計算できます。
通貨ペアが変われば、為替レートも変わるので、1ロットがいくらかは計算してみないとわかりません。
例えば、米ドル／円のレートが100円の時に1万ドル買った場合
1ロット購入＝10,000ドル（1万）×100円 100万円で米ドルを購入
つまり、米ドルを1ロット買うというのは、レバレッジの計算を入れなければ、100万円で米ドルを買ったことになります。
国内のFX会社では、レバレッジが25倍ですから、
100万円÷25＝4万円
ということで、レバレッジを使えば4万円の資金で、100万円で米ドルを購入したことになるんです。
1ロットで1pips動いたらいくらの損益になる？
それでは、分かりやすい「米ドル／円」で考えてみましょう。
ちなみに、以下に出てくる表示で、1pipsは0.01円の変動、10pipsは0.1円の変動、100pipsは1円の変動になります。
- 0.1ロット（1000通貨） 1pips＝10円｜10pips＝100円｜100pips＝1,000円
- 1ロット（1万通貨） 1pips＝100円｜10pips＝1,000円｜100pips＝1万円
- 10ロット（10万通貨） 1pips＝1,000円｜10pips＝1万円｜100pips＝10万円
- 100ロット（100万通貨） 1pips＝1万円｜10pips＝10万円｜100pips＝100万円
1ドル100円の時に1ロット米ドルを買い、1ドルが101円（1円＝100pips上昇）になった時に売れば、1万円の利益になります。
1円×10,000通貨＝1万円の利益
同じ1円の変動であっても、ロット数を10、100と増やしていけば、10万円、100万円の利益（または損失）になります。
ロット数を増やすことで、利益も増えますが、同時に損失も増えやすくなるので注意が必要です。
ロット数とレバレッジ
ロット数が多いと、レバレッジが高くなるので、ロスカットのリスクが高くなります。
ロスカットとは、全資金より含み損の金額が超えてしまう手前で強制的に決済する制度のことです。
つまり、資金を飛ばすリスクが高くなるということ。
取引ロット数を増やすということは、取引量が増えることを意味します。
取引量が増えると、口座に必要な資金量も増えるため、必然的にレバレッジも増えます。
資金量に見合った取引量にしないと、ロスカットになりやすくなる＝マーケットから撤退せざるを得なくなるので、注意しましょう。
レバレッジは、初心者のうちはできる限り低くした方が安全です。
ロット数が大きいとどうなる？
ロット数を多くすれば、それに比例して利益も損失も大きくなります。
FX初心者や、FXで大金を稼ごうという気持ちが強い人にとっては、利益が大きくなることは魅力的に感じるでしょう。
しかし、大きな損失を出すリスクがあることを絶対に忘れないでください。
メリット
FX口座の資金が例え4000円であっても、毎回のトレードで利益を出しながら、最大枚数で取引をしていくことで
どんどん利益が大きくなりますので、短時間でも大きな利益を狙えます。
つまり、小額投資からでも、ずっと勝ち続けさえすれば、大きな利益を出せる可能性があるというのが、ロット数を大きくするメリットです。
デメリット
大きな損失を出しやすくなります。
短時間でも、非常に大きな損失を作る結果になる可能性が高くなります。
また、資金の量によっては高レバレッジになりやすく、それによりロスカットされやすくなります。
ロスカットまでいかない場合であっても、新規のポジションを追加するのが難しくなるので、
含み損に対しての対応（ナンピンなど）がしにくくなるといった苦境に立たされ、
精神的に追い詰められ冷静な判断ができなくなる状況に陥りやすくなります。
資金は売買時のロット数で管理する
資金管理はリスクの管理です。
そして、その方法は、取引ロット数を調整し、レバレッジをコントロールすることで行います。
なぜなら、ロット数をあげると取引量が増える＝証拠金維持率が下がる（レバレッジが上がる）という仕組みだからです。
ロット数でレバレッジの倍率が変わってくるので、1ロットの取引をすると、レバレッジが自分の口座資金に対して何倍になるのかを知っておくことが重要です。
レバレッジは、人によって基準は違いますが、1倍から10倍までは安全と言えるでしょう。
安全なレバレッジになるように、ロット数を抑えてトレードをしましょう。
例えば、0.1ロット（1,000通貨）でドル／円を取引するとしたら、最低証拠金は4,000円からできますが、1万円から3万円を口座に入れておくと安心ですね。
適正ロット数とは？
「適正なロット数＝適正なレバレッジ1〜10倍」なので、投資資金別のロット数を把握することは、トレード前に必ずしなければいけません。
これをしないで、大きなロット数でトレードすることは、危険です。注意しましょう。
資金に合わせて適正ロット数を決めましょう
目安は、10万円の資金で1万通貨でトレードを開始するのが適正と言えるでしょう。
ただし、FX初心者にとってリアルでのトレードはストレスが高いと感じる人もいると思いますので
自分自身がストレスを感じないロット数で行うのが良いですね。
人によって金銭感覚は違います。
大きなロット数に対して何も感じない人もいれば、最小ロット数でもストレスを感じる人もいる。
どちらが優れているといった話ではなく、人それぞれ、資金の大きさも関係してきますので、
基本的には、資金10万円に対して1万通貨（1ロット）でのトレード、資金1万円に対して1,000通貨（0.1ロット）で
トレードをすれば良いでしょう。
資金に合わせてロット数は決めてください。
- 資金が多いのに小さすぎるロットでトレードをし続ける
- 資金が少ないのに大きすぎるロットでトレードをし続ける
上記２つは、資金管理が出来ていないことになるので、危険です。
少なすぎるロットでのトレードは雑なトレードが多くなりやすく、
大きすぎるロットでのトレードはリスクが高すぎることによる冷静さを欠いたトレードを誘発させます。
適正なロット数でトレードを行うことで、資金は守られるということを理解しましょう。
ロット数は徐々に増やしていきましょう
ロット数は資金に合わせて決めるのが正しい考え方です。
トレードをするごとに、少しずつ資金が増えてくるようでしたら、その増えた資金に対してロット数を決めましょう。
例えば、1,000通貨（0.1ロット）で1万円からスタートし、2万円に資金が増やせたなら、
資金2万円に対してになるので、2,000通貨（0.2ロット）でトレードをします。
このように、徐々にロット数は増やしていきましょう。
間違っても、今、0.1ロットでトレードをしていて、感覚的になんとも思わない（恐怖感やストレスがない）からという理由で
ロット数を一気に1ロットや10ロットに上げるといった、肝試しのような上げ方はしてはいけません。
堅実に、淡々とロット数は資金量に合わせて徐々に増やしていくのが良いでしょう。
FX初心者は0.1ロット（1000通貨）から始めよう！
FX初心者の質問でよくあるのは、「はじめてのリアルトレードは資金をいくら口座に入れて始めればいいのですか？」というものです。
FX口座に入れられる資金がたくさんあったとしても、まだ自分で自信を持ってトレードできるスキルもルールもない状態の時に
FX口座に資金をたくさん入れても、結局は失うだけですので、おすすめはしません。
FXは1,000通貨（0.1ロット）のトレードは4,000円から始められるので、口座に1万円から3万円を入れて、
まずは1,000通貨（0.1ロット）からトレードを始めると良いと思います。
そして、資金を倍にできた時に、少し口座に資金を追加投入し、
ロット数を少しずつあげていくと、トレードは面白く感じられるようになります。
最初から大きな資金を口座に入れ、大きな枚数でトレードをするのは初心者には危険です。
最小ロット数でたくさんトレードの練習しましょう。
生き残ることが大事！
FXトレードを始めて、だいたい3ヶ月でやめてしまうという人の割合は、かなり多いと言われています。その理由は、ロット数をよく分からないままトレードを開始し、すぐに口座の資金を失ってしまうからです。
仮に1年間、口座の資金を少しでも残すことができ、生き残れるとしたら、FXで稼げる道は開かれます。1年未満でほとんどの人がFXを諦めるか、ロスカットにより退場をするのが現実ですのでFX初心者はとにかく生き残るためにも、最初に入れる口座資金を極力小さくし、小さなロット数でトレードの練習を行ってください。
相場の世界で長く生き残ることができれば、いつか稼げるチャンスが巡ってきます。すぐに大金を稼ごうとせず、楽しくトレードの学習と練習をすることが、トレード上達の秘訣です。
FXの1ロットはいくら？「資金を守る＝大きな損切りをしない」ための基礎知識のまとめ
FXをこれから始める上で、1ロットがいくらかを知っておくことは大切です。
「1ロット＝通貨のレート（価格）×10,000通貨」
1ロットは上記の計算式で割り出すことができます。
FXは売買差益で利益を得るものなので、1ロットで取引した場合は、
買った価格から売った価格を差し引いた差分を10,000通貨でかけた金額が利益額になります。
資金に対してロット数が大きいと、同じ値幅を取ったとしても、利益額または損失額は大きくなります。
利益であれば嬉しいですが、損失も同じだけ大きくなる可能性が高くなるので、
資金に対して適正なロット数での取引を心がけましょう。
